ファミコンが日本中を席巻し、全国キャラバンも盛況だった1987年、ハドソンが発売したファミコンのコントローラーを模した連打測定器であり、筆者が30年以上持ち続けている相棒でもあるシュウォッチ(シューティングウォッチ)を紹介します。
筆者含む子供たちも夢中になったファミコン。大流行した携帯ゲーム機・ゲームボーイもまだ発売前で手軽に持ち運べるゲームはまだゲーム&ウォッチの時代、ゲーム&ウォッチに比べるとはるかに手頃な1,200円という価格設定で発売された本機は、テレビ画面を見続けることなくファミコンのボタン連打の練習ができ、友人と競争するガジェットにもなり、親からも多少は理解があったような気がします。
シュウォッチは本機の後もバリエーション機や復刻版、アプリなど度々発売されており、2020年11月発売のコロコロアニキでは限定モデルの誌上通販もあった、ファンの多いアイテムです。今回主に紹介するのは筆者所有のオリジナル(初代バージョン)です。筆者の思い出とともに記事にしましたので、当時の雰囲気が少しでも伝わると嬉しいです。
シュウォッチ(初代)の5つの機能
ボタン連打の測定機能
10秒間の連打回数を測定でき、最高記録が保存されます。AボタンとBボタンどちらを押してもカウントされます。秒間16連打を目指して連打測定の記録を出し、隠し機能をアンロックするのが楽しみな本機のメイン機能です。
時計機能
デジタル24時間表示で現在時刻を表示する時計機能がついています。使わないときは時計にしておくと便利で、結果的に本機で一番表示することの多い機能だと思います。
ストップウォッチ機能
ボタンを押してから再度ボタンを押すまでの時間を測定できます。シンプルな機能で一応ラップタイムも計測可能。
つまり普通のストップウォッチ機能なのですが、当時子どもだった筆者はゲームのひとつとしても楽しみました。具体的には「キリの良いタイムでボタンを押すゲーム」「どれだけ早く止められるかを競うゲーム」などのルールを決めて、友達と遊びました。当時はミニ四駆も流行っていたこともあり、本機だけではなく競技用のデジタルストップウォッチでも同様の遊びをしていましたね。工夫次第でゲームになる発想ですね。
2つの隠し機能
本機にはサイコロゲームとスロットゲームの2つが隠されていて、連打測定の記録次第でアンロックされます。サイコロゲームは回転する1~6の数字を3回止めるゲーム。スロットゲームは回転する1~9の数字を4回止めるゲーム。筆者はどちらも主に同じ数字が並ぶのを目指して遊んでました。サイコロゲームはすごろくのサイコロ代わりのデジタルサイコロとして活用できます。
また、歴代のシュウォッチにはそれぞれ様々な隠し機能がつけられたそうですが、復刻版はオリジナルのものと隠し機能は同じなのだとか。
筆者が入手したときの思い出
筆者は小学生だった当時、何かのプレゼント応募で本機を手に入れました。何に応募したのかは当時もさっぱり覚えていなかったですが、非常に喜んだ記憶だけはあります。毎日朝から晩までファミコンに想いを馳せていた筆者は、家族ルールで週末のみファミコンを1時間遊べたということもあり、平日は本機で練習し週末のツインビーやSDバトル大相撲に備えたものです。
本体左上の穴の使い道
本機の左上には特徴的な穴が開いています。これは本機のユニークな特徴のひとつで、アイデア次第で様々な使い方ができるよう設計されています。鉛筆を挿して卓上時計に
おそらく最も知られている使い方です。鉛筆を挿せば机の上で置き時計になります。当時小学生だった筆者のおうちでの宿題のお供として活躍しました。ストップウォッチ機能を使って勉強時間を測ったりもでき、とてもお世話になりました。
紐を通して首掛け
穴に長い紐を通して、ネックストラップ状にして首に掛けて使うこともできます。筆者は当時、腕時計など持っていなかったので、代わりに本機が非常に重宝しました。外出先でもお気に入りの時計で時間がわかる幸せを感じたものです。
当時は今の小型携帯電話が無い時代で出来ませんでしたが、今なら携帯電話やスマホ用のストラップを流用して付けるのも良さそうですね。取り付け部の細紐が長いものを探したいです。
発売当時で見られた連打方法
けいれん打ち
AボタンかBボタンのどちらか1つのボタンを、1つの指で連打するオーソドックスな打ち方です。高速連打するために指をぶるぶる震わせてボタンを押します。
ピアノ打ち
人差し指と中指でAボタンとBボタンのそれぞれボタンを交互に押して連打する技。ボタンが2つあるので一度は試す打ち方なのですが、ボタンを2つ使うことで効率は悪くなりがちで、記録を出すのはとても難しいです。
こすり打ち
複数の指や爪でAボタンとBボタン左右に往復して何度もこすり高速連打する技です。筆者はこの技で当時最高192発/10秒間を出した記憶があります。爪をこすりつけると本体のボタン周りに傷を作ってしまうのが、この技の非常に悩ましい点です。
定規を使った反動打ち
ブルンブルンしなる定規の反動で高速連打する当時恐ろしい技です。
当時スイミングスクールの帰りのバスで、年上の知人がこの技で簡単に252発/10秒間をたたき出し、いともたやすく最高記録は塗り替えられてしまい、筆者の連打熱は冷めてしまいました。なんかチートっぽく感じたのでしょうね。というか、なぜそんなタイミングで出てくるのか金属製定規。筆者はこの技を禁断の秘技として胸にしまい、シュウォッチとは少し距離を置くことになったとかならなかったとか。
復刻版との違い
復刻版はオリジナルと比べて、基本機能や隠し機能は同じですが、電池の入れ方が改善されたり、リセットスイッチが付いたりしている違いがあります。
そして余談ですが、コロコロアニキ版は改善された復刻版を元にした作りになっています。
筆者は復刻版も所有していますが、オリジナルの本機が元気に動作中のため、まだ未開封のままにしており、実際に試したことはないです。
最後に
今思えば、用途はゲームに限らなかったり、不思議な穴が付けられていたり、名前書く欄があったり、小学生を思って込められた様々なアイデアが詰まっており、本機は良い玩具だったと筆者はしみじみ感じています。
気が向いたときにチャレンジし、記録の塗り替えに喜びがあるのがシュウォッチ。シンプルな仕組みや機能だからこそ工夫をもって遊べた、当時を懐かしく蘇らせる素敵なガジェットでもあります。あまり入手しやすいものではないですが、もし機会があればぜひ本機で指先の限界に挑戦してみては。
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