FUJIFILM X100F|レフ機ユーザーのサブカメラ候補にオススメの高級コンデジ[レビュー]

2021/09/18

カメラ

D500とX100Fを並べて

Nikon D500ユーザーの筆者がサブ機探しでたどり着いた高級コンパクトデジタルカメラで、現在愛してやまない富士フイルム X100F(FUJIFILM X100F)を紹介します。

筆者は後継機の発売で値が下がった2020年の年末に購入しました。以来、本機に夢中です。

サブ機として検討したきっかけやポイント、特徴、使用感などをまとめ、紹介します。また、後半では筆者が使用し本記事の写真でも付けている、X100Fのアクセサリーを紹介します。購入を検討している人の参考になると嬉しいです。

メインの一眼レフでの悩みがサブ機検討のきっかけに

デジタル一眼レフ機のD500での機能や操作性、そして撮れる写真が、筆者はとても気に入っているのですが、ハイアマチュア〜プロ向けのカメラということもあり、なかなかサイズが大きく、重く、目立つので、人の目が多い所では気軽さに欠けるのを感じていました。

そこで、ボケや画質も期待できて、サイズ感で目立つことなく気軽に撮影を楽しめるコンパクトなカメラがサブ機に欲しいと思ったのが検討のきっかけです。

筆者愛用のX100F写真
自分向きにカスタムしたX100Fは愛着がとてもわきます

筆者がサブ機に求めた検討点

必須条件(予算)
  • 10万円未満で買える
欲しい性能
  • レンズを付けたレフ機よりも小さく軽い
  • ボケを活かした撮影ができる明るいレンズ
  • ボケを活かせるセンサーサイズ
  • スナップショットにも向いた広角寄りの画角
  • 許容できる程度のオートフォーカス性能や反応の良さ
  • 2000万画素以上の画素数
  • レフ機のような細かい設定ができる
あるとうれしい
  • 無線でスマホに送れる
  • ファインダー
  • 手ブレ補正
特に必要としない
  • レンズ交換
  • ズームレンズ
  • 背面液晶のチルトやバリアングル
  • タッチパネル操作
  • 動画撮影

検討した点を書き出してみましたが、なかなか多いですね。筆者はレンズ交換式ミラーレスカメラやコンパクトデジカメの中からこれらの点で検討した結果、候補は最終的に「RICHO GR3」「FUJIFILM X100F」の2機種に絞られ、量販店で実機を触ってみて、手ブレ補正機能が無いことを除けば検討点をほぼ満たした本機「FUJIFILM X100F」を選びました

X100Fのここがレフ機ユーザーにオススメ

換算35mm画角のf2レンズ+APS-Cセンサー

スナップ撮影もボケを活かした撮影も得意なスペックになっており、筆者は撮影をとても楽しんでいます。このレンズは絞り開放で近距離で撮影するとふわっとした描写になるのが面白いです。最短撮影距離が約10cmと短いのもポイントです。

また、本機は他のレンズに交換はできない不自由さがありますが、それはレフ機をメインに使われている方にはレンズマウントを増やさないという点でメリットがあるともいえます。また、交換できないからこそ、このパンケーキレンズと呼べるコンパクトなレンズ長が実現しています。

そしてX100シリーズは本機X100Fまでが同じレンズで、後継機のX100Vでは描写が異なる新しいII型レンズ採用とのことなので、描写傾向にも納得できれば本機を選ぶ理由のひとつにもなります。

X100Fの開放作例
X100F絞り開放+ブラックミストNo.05の作例

筆者はレンズを生かしつつふわっとした味のある写真を撮ってみたくて、X100FにはブラックミストNo.05のレンズフィルターを着けています。ブラックミストは流行りのレンズフィルターで、強い光をふわっと拡散させてくれるので、より雰囲気があってどこか懐かしい感じの写真が狙えます。

フィルムシミュレーション

富士フイルム機は写真の色味に特徴があると言われており、興味を持つ人の多くはその色づくりを担うフィルムシミュレーションに注目しています。

X100Fは型落ちしているカメラなので、後継機X100Vにある人気のクラシックネガやエテルナは楽しめませんが、以前より人気のクラシッククロームやアクロスなど富士フイルムならではの色づくりが楽しめます

レンズ交換式カメラのような操作性

コンデジなのにボタンやダイヤルがたくさんついていて、まるで中~上級者向けのレンズ交換式カメラのような操作感を実現しています。素晴らしい。

前述のフィルムシミュレーションや撮影設定にも直感的にアクセスでき、写真の印象作りが楽しくなります。ハイライトトーンやシャドートーンなどのパラメータも撮影前に簡単に設定できます。

個人的には、本機はタッチパネル非搭載で十字キーが付いているのがとても好みで、後継機X100Vではタッチパネル搭載で十字キーが無くなってしまったことも、型落ちの本機を選んだ理由のひとつです。十字キーの位置はカメラを握った時に手のひらが軽く当たる位置なので、人によって好みがわかれるところです。

顔認識/瞳認識AFができる

最近のカメラでは必須機能のようになっていますが、本機でも搭載しており便利です。主に家族など人物を撮影しているので、この機能をONにするとAF精度が上がり、とても重宝しています。

特徴的なレンジファインダー

他社製ミラーレスカメラには無い、光学ファインダーと電子ビューファインダーの切り替えが可能な特製ファインダーが備え付けられています。

筆者は店頭でX100Fのファインダーを覗き試写したときはとても衝撃を受け大変感動しました。電子ビューファインダーは露出が反映されて仕上がりがわかりやすいなど便利な反面、モニター越しに被写体を見ている味気なさを感じていたのですが、本機は光学式と切り替え可能なため、とても贅沢なファインダーです。

NDフィルター内蔵

これによりNDフィルターを持ち歩かなくても、機能をONにすれば、ND8と同様の効果が得られるため、日中の屋外でも絞り開放の写真が撮りやすくなり、とても便利です。

自分好みのドレスアップが楽しい

まるでフイルムカメラのようなレトロな外観をしており、レンズフードやレリーズボタン、ケースなど好みのものをつけてカスタマイズすることで、X100Fが自分好みの使い勝手に。ドレスアップすると愛着がより一層湧きます。

筆者のX100Fも本記事の写真に見られるように色々装着しているのですが、詳細はまた別の機会で紹介したいと思っています。

中古品なら価格は6~9万円位に収めることも

後継機であるX100Vが発売されたため、購入当時は各店が値下げ処分の最中だったのか新品でも10万円を切っていたので、お買い得だったと筆者は思っています。

現在では新品はほぼ販売終了しており希少性が上がって価格も上昇傾向なので、これから購入を検討する方は程度のよい中古品を狙うのがよいでしょう。販売店にも因りますが、中古品なら価格は6~9万円位で入手も可能です。

X100Fの気になるところ

動体撮影は苦手

目の前で走り回る子どもをオートフォーカスでピントを合わせて撮影するのはかなり難しいです。筆者はAF-Cでカメラを振って追いかけましたが、失敗写真を大量生産してしまいました。こちらに迫ってくる時などは置きピンも辛いですし悩ましい所です。

この点は、メイン機のD500が動体撮影ではモンスター級なので、上手く使い分けようと考えています。

コンデジの中では重い

レンズ交換できないので分類上はコンパクトデジカメですが、SDカードとバッテリー込みで469gあり、大きさも重さもミラーレスカメラとあまり変わらないので、「どこがコンパクトなの?」と言う人も多いでしょう。筆者も知人に言われました。

いいんです。縦グリップ+SIGMA ArtレンズのD500よりもX100Fははるかにコンパクトですから。後述するハンドグリップを付けたら、一眼レフのエントリー機より重くなったような気がしますが、認めたくないので測って比べたりはしません。

後継機のX100Vと比べて

X100VはX100Fと比べて、スペック向上はもちろん、前述のようにフィルムシミュレーションが追加されていますが、より現代的な写りになった新しいII型レンズが搭載され、十字キー廃止など操作性も変更されており、X100Fまでのふわっとする描写や十字キーを好む人も多いため、完全な上位互換とも言い切れない関係にあったりします。

実機でそれぞれを試したところ、光学ファインダーの見え方も大きく変わっていると感じました。X100VはX100Fと比べるとフレーミングしている周囲が広く見えるので被写体の周囲の状況が掴みやすいです。逆にX100Fはフレーミングしている周囲がX100Vよりも隠れるため、よりフレーム内に集中しやすいというメリットもありそうです。

筆者はD500にSIGMAのArtレンズをメインで使っているため、「レンズの方向性がかぶらない」「慣れている十字キーによる操作」という観点でX100VよりもX100Fで正解だったと考えています。そもそもX100Vを買える予算は無かったですが。

X100Fに筆者が思うこと

画角や開放値、センサーサイズだけで考えれば、既に持っているNikon D500でも同じ撮影ができるので、サブカメラ導入のメリットは持ち運びやすさと気軽な撮影だと思っていましたが、それだけではありませんでした。X100Fは奥が深かったです。富士フイルムのカメラはRAW現像に依存することなく色にこだわった作品作りを目指すカメラなのだと、新しいカメラを導入して半年以上過ぎて感じています。

本機で日々学んでいる色について、D500でも活かせたら撮影がもっと楽しくなると、今は考えていたりもします。

X100Fのアクセサリー紹介

クラシックカメラのような本機は自分好みのアクセサリーを付けると愛着も増します。筆者も色々試していますが、失敗もありました。カスタマイズの参考になれば幸いです。

ストラップ

ARTISAN&ARTIST ACAM-280L ダークブラウン(使用中!)
クラシックな風合いが感じられるレザーストラップ。120cmのロングストラップなので斜め掛けにぴったり。細めでしなやか。紐部分は2枚合わせになっておりチクチクしないので、とても気に入っています。

レリーズボタン

F-Foto ソフトレリーズシャッターボタン 凹タイプ レッド(使用中!)
X100Fはモデル名ロゴのFの字など、デザインの要所に赤色が使われており、見た目に一体感を出すためにレリーズボタンも赤を選ぶ人が多いようです。筆者も先人に倣ってそうしました。レリーズボタンはネジが緩んで外れることが多いのですが、ゴムリングを挟むように付けると外れにくくなるとのことで、下記のリングと組み合わせて使っています。
uxcell Oリング ニトリルゴム メトリックシーリングガスケット 5x3x1mm(使用中!)
上記のレリーズボタンと組み合わせて使用しているゴムリングです。1セット20個入りですが600円程度で購入できるので、余った分は紛失したときや劣化したとき用の予備だと思って使っています。

レンズフードとアダプターリング

JJC LH-JX100II BLACK(使用中!)
純正フードはカッコいいのですが、お値段高目で少し目立つ見た目なのが気になったため、筆者は社外品のフジツボ型フードである本品を選びました。アダプターリング(継ぎ手リング)を購入する必要がなく、49mm径のレンズフィルター(レンズプロテクター)の取り付けも可能。もしも後述するKenkoのブラックミストレンズフィルターをつけるなら、フジツボ型フードは本品がオススメです。また、X100Fの付属品である、かぶせ式のレンズキャップがそのまま使えるのもポイントです。
Haoge LH-X49B
このフードは前述のJJCのフジツボ型フードと似た作りで機能も似ているのですが、全体的に薄型になっているため、本フード内にはかなり薄型のレンズフィルターしか取り付けできません。Kenkoのブラックミストレンズフィルターを付けると、枠の厚みでフードが途中までしか取り付けできなかったため、大失敗。筆者はJJCのフジツボ型フードに換えました。「超薄型枠のレンズフィルターを使う」もしくは「レンズフィルター無しで使う」という想定でしたら、本品を検討してもよいでしょう。
PENTAX MH-RE49
本来は「HD PENTAX-DA40mm Limited」用のレンズフード。フィルター径が同じ49mmなのでアダプターリングを使えばX100Fにも取り付けられ、他社の銘であったりレンズ表記が異なるのが多少は気になりますが、配色やクラシックな雰囲気がX100Fと親和性が高いため、とても人気があります。
30.5mm径のレンズフィルターが本フードの内側に逆向きで取り付けられるようになっているので、もしX100Fに本フードとレンズフィルターを使うなら、30.5mm径で薄枠のレンズフィルターを選びましょう。フィルター枠が厚いと、レンズの繰り出し時に接触を起こしエラーが起きます。また、49mm径のレンズフィルターをフードとアダプターリングの間に付けてしまうと、フードが干渉を起こして四隅がケラレます。
UN 49mmリング(メス/メス) UNX-8521
上記のPENTAXのフジツボ型フードを使う時や、フード無しでレンズフィルター使う時などに使用した49mmメス-メスのアダプターリングです。純正アダプターリングと異なり、フードのための凹凸が無いシンプルなデザインで、文字なども印刷されていないので、とても好感が持てます。

レンズフィルター

Kenko ブラックミストNo.05 49mm(使用中!)
光が柔らかくなり全体のコントラストが下がるフィルター。よりオールドレンズっぽい絵作りをしたいので付けっぱなしにしていろいろ試しています。ブラックミストNo.1は光次第で暴れまくるじゃじゃ馬だったので、控えめなNo.05が使いやすいと感じています。前述の通り「Haoge LH-X49B」や「PENTAX MH-RE49」のレンズフードとは組み合わせて使えませんでした。
MARUMI UVフィルター 30.5mm
前述のPENTAXのフジツボ型フード用に購入したレンズフィルターで、プロテクター代わりに使っていました。このフィルターとPENTAXのフードとUNのアダプターリングとの組み合わせは、ケラレも繰り出し接触もなく見た目もカッコイイので、とても気に入っているのですが、ブラックミストが付けられないので、今は大事にしまっています。

ホットシュー取付

Haoge THB-XB ブラック(使用中!)
ホットシューに挿して使うサムレストと呼ばれるアクセサリーで、親指を掛けて使い、カメラの握りやすさが向上します。X100Fのボタンやダイヤルをあまり邪魔しない形状になっているので、愛用しています。本品は取り付けがとても硬かったですが、おかげでぐらつきが無いです。その反面、何度も付け外しするのには向きません。
F-Foto メタル ホットシューカバー A シンプルタイプ ブラック
シンプルなデザインのホットシューカバーです。すっきりした印象でとても気に入っていましたが、上記のサムレストを付けたため、お役御免になりました。

ハンドグリップ

Meike MK-RX100FG(使用中!)
カメラの底面を保護する目的もあって購入。重量は増加しますが、X100Fにぴったりと装着でき、サムレストとの組み合わせですごく握りやすくなりました。底がアルカスイス互換のプレートにもなっていて、まだ試したことは無いですがアルカスイス互換の雲台付きの三脚を使う時には便利そうです。

レンズキャップ

30.5mm レンズキャップ
前述のPENTAXのフジツボ型フードを使用すると、X100Fの付属品のかぶせ式のレンズキャップは使えないため、こちらのレンズキャップを購入しました。ねじ込み式と比べると取り外ししやすいかと思います。

最後に

X100Fは旧機種ですが、本機ならではの魅力あふれるカメラです。

サブ機に求めるものは人それぞれ異なると思いますが、筆者のようにデジタル一眼レフを使っていて、より気軽に楽しめるカメラを求める方には、本機X100Fは操作性も良く、作品の色にこだわることができ、レンズの描写やファインダーなど本機ならではの魅力もあるので、サブカメラ候補に自信をもってオススメします。

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